汝の時間を知れ【経営のヒント 03】
経営のヒント P.F.ドラッカーのナレッジ
前回、経営者の条件として5つあげましたが、今日はその一つ目に関連して書いてみたいと思います。「汝の時間を知れ」、これは第2章の象徴的なタイトルです。この言葉は、私も時々使わせてもらっています。計画がなぜ旨くいかないか?ドラッカーは、成果をあげるには、計画からではなく時間管理からスタートすべきだと言います。時間は、最も稀少な資源で、簡単に消滅し、蓄積もできません。だからこそ時間管理が必要です。時間管理のプロセスは、以下のとおりです。
(1)時間は何に使われているかを知る
(2)時間の使い方を診断する
(3)時間浪費の原因を整理する
(4)時間を浪費する非生産的な活動を排除する
(5)自由になる時間をひとまとめにする
(6)そしてこのような管理を継続すること
この時間管理によって効率的な時間が生まれたとしましょう。皆さんは、何に使いますか?ドラッカーの答えは次のとおりです。
<ドラッカーの言葉>
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知識労働者が多少なりとも成果や業績をあげるためには、組織全体の成果や業績に焦点をあてなければならない。
ということは、彼自身も自分の目を仕事から成果へ、専門分野から外部の世界、すなわち成果が存在する唯一の場所たる外部の世界へ向けるための時間を必要としているということである。
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P.F.ドラッカー1995年 ドラッカー選書1「経営者の条件」より
ドラッカーは外部の世界という言葉を多用します。外部とは、組織の外部をいい、重要な経営資源だけでなく、成果もすべて外部にあります。成果の源泉であるお客様が組織の内部にいないことでも容易にこのことは理解できます。「困ったらお客様に聞け」という言葉がありますが、まさに的を得た言葉です。経営者は、ドンドン外にでましょう。きっといいことがあります。
佐藤 等