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多角化の核【経営のヒント 365】

今日から第57章「多角化の核」です。
前回のテーマ「単純さと複雑さはともに必要である。」を調整するおそらく唯一の原則について述べます。
多角化する際は、必ずこの観点からチェックして下さい。

今日の一言です。

<ドラッカーの一言>
!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!
多角化を調和させ、一体性を保つ
方法は二つしかない。
!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!

『マネジメント<下>』p.133 1973年 ダイヤモンド社

まずその原則を述べます。
第一に、共通の市場のもとに、事業、技術、製品、製品系列、活動を統合し、
それによって高度に多角化しつつ一体性を保つ。

第二に、共通の技術のもとに、事業、市場、製品、製品ライン、活動を統合し、
それによって高度に多角化しつつ一体性を保つ。

両者の文章の構造は瓜二つ。
市場と技術が入れ替わっただけです。
ホンダは、バイク、自動車、草刈機、ジェット機などエンジンというコア技術で
多角化を推進しました。

これに対し現在のコンビニは、物販はもちろん、銀行、宅配便の取扱店、
チケット販売など個人市場を軸として多角化を展開中です。

ドラッカー教授は、2つの軸のうち、市場による統合の方が成功しやすいと明言しました。
但し書きがあります。

(1)市場を決めるのは生産者ではなく顧客である。このことを忘れれば、失敗する。
(2)単なる寄せ集めではなく有効な戦略でなければ失敗する。

あなたの組織の一体性の軸は、どちらでしょうか。
そして具体的になんでしょうか。

多角化をお考えであれば問わないわけには行きません。

佐藤 等

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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