多角化の核【経営のヒント 365】
今日から第57章「多角化の核」です。
前回のテーマ「単純さと複雑さはともに必要である。」を調整するおそらく唯一の原則について述べます。
多角化する際は、必ずこの観点からチェックして下さい。
今日の一言です。
<ドラッカーの一言>
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多角化を調和させ、一体性を保つ
方法は二つしかない。
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『マネジメント<下>』p.133 1973年 ダイヤモンド社
まずその原則を述べます。
第一に、共通の市場のもとに、事業、技術、製品、製品系列、活動を統合し、
それによって高度に多角化しつつ一体性を保つ。
第二に、共通の技術のもとに、事業、市場、製品、製品ライン、活動を統合し、
それによって高度に多角化しつつ一体性を保つ。
両者の文章の構造は瓜二つ。
市場と技術が入れ替わっただけです。
ホンダは、バイク、自動車、草刈機、ジェット機などエンジンというコア技術で
多角化を推進しました。
これに対し現在のコンビニは、物販はもちろん、銀行、宅配便の取扱店、
チケット販売など個人市場を軸として多角化を展開中です。
ドラッカー教授は、2つの軸のうち、市場による統合の方が成功しやすいと明言しました。
但し書きがあります。
(1)市場を決めるのは生産者ではなく顧客である。このことを忘れれば、失敗する。
(2)単なる寄せ集めではなく有効な戦略でなければ失敗する。
あなたの組織の一体性の軸は、どちらでしょうか。
そして具体的になんでしょうか。
多角化をお考えであれば問わないわけには行きません。
佐藤 等