グローバル化のマネジメント【経営のヒント371】
今日は、第59章「グローバル化のマネジメント」からです。
地方の中小企業でも海外企業や海外市場との取引が一般化しつつあります。
グローバルの視点は今や欠かせないものとなっています。
では今日の一言です。
<ドラッカーの一言>
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グローバル企業は国内企業とは異質であって、
戦略、構造、姿勢に関して、トップマネジメントに対し
異なる要求を課してくる。
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『マネジメント<下>』p.182 1973年 ダイヤモンド社
ドラッカー教授は、グローバル企業の存在を第二次世界大戦後、最大の社会的イノベーションであると指摘しました。
本59章は、そのグローバル企業のマネジメントがテーマです。
『マネジメント』下巻53章~61章は、様々な企業形態、規模の<マネジメントの戦略と構造>についての各章ですが、これまで見てきた国内企業とは異質な存在であり、異なる対処が必要であるとしました。
まず企業内部についての基本的な考え方についてです。
ドラッカー教授は、「一体性を図りつつ、多様性を保持しなければならない」としました。
次に外部的には、「グローバル市場において生産要素の最適化を図りつつ、政治的諸機関と円滑な関係を維持しなければならない」としました。
その結果、たとえば全社の戦略が必要である一方、それぞれの国の子会社ごとに戦略が必要です。
自立的でありながら、相互依存的です。
そのためにトップマネジメントチームを複数もつことになります。
しかも全社のトップマネジメントチームと各国の子会社のトップマネジメントチームのメンバーは、兼務を禁じるべきとしました。
これは構造に関する重要ポイントです。
さらにそのチームは各国、各地域の文化に根ざしたものであることと指摘しました。
ドラッカー教授は、これらの複雑な要求を満たすにはシステム型組織(第47章)たらざるを得ないと結論付けしました。
これからの時代は、地域の中小企業といえども国内の外資系の子会社などと取引することは、稀ではありません。
全社の戦略が見え隠れするなかで、その地域や国での方針や戦略に従っておつき合いしなければなりません。
異質な存在であることを理解しながら付き合うことで、思わぬ事態を回避できるかもしれません。
その特性をよく理解しておきましょう。
佐藤 等