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マネジメントに求める真摯さ【経営のヒント 664】

マネジメントとは貢献の責任である。地位や肩書、権限ではなく、貢献の責任がマネジメントの仕事を規定する。したがって、マネジメントに要求される資質は、頭の良さではなく真摯さである。
『経営の真髄』<上>p.42

マネジメントは、組織をつくり、組織に方向づけを与え、一体化させ推進させる機能をもっています。それは、すべて人の力によるものです。

その人の力の源泉は、地位や肩書からくる支配力や、政治権力や所有権といった力ではなく何を行なうかという責任に由来するものです。なぜなら組織は目的によって規定される人間集団だからです。

それゆえドラッカー教授は、マネジメントに真摯さという資質を求めました。それは、最上の成果を常に求める姿勢であり、人の良い面を生かすという覚悟です。成果とは、組織の目的を実現するために顧客に起こる変化です。つまり貢献の責任とは、顧客にもたらされる価値に責任をもつということです。

マネジメントを行う者は、自分の中にある真摯さに気づき、磨く機会を手にしていることに気づかなければなりません。多くの困難は、マネジメントを行なう者の成長のためにあると言っても過言ではありません。責任を心底に据えて自分を偽らずに誠実に対応することが求められるのです。

 

佐藤 等(ドラッカー学会理事)

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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