イノベーションのマネジメント【経営のヒント 385】
今日も『マネジメント』の第61章、「イノベーションのマネジメント」からです。
前回のイノベーションを行う組織の6つの共通点から―「6)イノベーションのための組織」について。
<ドラッカーの一言>
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イノベーションを行う組織は、イノベーションのための
活動を、日常のマネジメントのための活動から独立させて
組織している。
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『マネジメント<下>』p.290 1973年 ダイヤモンド社
「新しいものの創造への取り組みと、既存のものの面倒は、同時には行えない」と
ドラッカー教授は指摘しました。
第一に、時間がありません。
新しいものを創造するためには、予期せぬ時間が取られます。
いつ起きるか予期できません。
異質の仕事で、どれくらいの時間が必要か見積もることすらできないことが起きます。
第二に、思考上の制約があります。
人間は同時に2つのことを考えることができません。
「真のイノベーションが既存の事業の延長線上にあることはほとんどない」と
ドラッカー教授が断言しました。
「重要なイノベーションの機会はすべて、既存のものの外部、
すなわち既存の分権化した事業の外側にある」としました。
内にいる者が外を観ることはそれだけで至難のことです。
外への意識を高く持ち、機会を探索するものが必要です。
第三に、イノベーションは事業として組織しなければなりません。
既存の事業を担当するものが新たな事業を持つことはできません。
2つの事業を並行して行うのは困難です。
これらの理由からイノベーションを行う組織は、日常のマネジメントの活動から独立させた
チームによる活動が有効です。
必要な機能を集めることができます。
追加、解散も自在です。
いずれにしても独立性が重要です。
佐藤 等