傍観者の時代【経営のヒント 398】
今日も『傍観者の時代』から一言です。
前回に引き続きエルザ先生からの学びがテーマです。
<ドラッカーの一言>
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では計画を立てましょう。
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『マネジメント<下>』p.58 1973年 ダイヤモンド社
小学校4年生のドラッカー少年は、担任のエルザ先生と一つの約束をさせられます。
「では計画を立てましょう。さあ、これがあなたのワークブック。同じものを先生ももつわね」
有名なエルザ先生のワークブックには、次のようなことが書いてありました。
1.「読んだ本の名前、内容、感想、もう一度読むつもりかどうか」
2.「作文は週二つ。題をここに書いておきなさい」
3.「それから算数ね。二つ欄があるけど、こちらに掛け算や割り算など、もう習ったことの成績、こちらに分数などの、これから習うことについての成績の、目標と結果を書きましょう」
4.「これがペン習字の計画。毎週書く二つの作文を読める字で書くこと。読める字を一行ずつ増やしていきましょう」
このワークブックの凄いところ-
1.すでに自他ともにわかっている強み・得意分野を伸ばすには、あまり高いハードルは不要。
黙っていても読むでしょうということで、記録するにとどめること。
2.作文は先生に見出された強み・得意分野。週2つの厳しいトレーニングを課しました。
ドラッカー教授はこう書いています。
「力がある分野で、しかもいっそう力をつける必要のある分野で努力しないときは、怒れる天使となって襲ってきた」と。
3.これは自分では不得手だと思っていた分野が実はそうではなかった時の方法。
原因が不注意だったので、単に点数を記録させることで不注意の意識レベルを改善しようとしたこと。
4.ペン習字はドラッカー少年の最も不得意とする点です。
それにも一応意識を向けさせました。後に父に塾へ連れていかれるも失敗。
結局エルザ先生も匙を投げ、他に問題がないから飛び級でギムナジウム(上位の学校)への進学を勧められました。
不得手なことは、意識をさせるも上達に時間をかけないことを身をもって体験しました。
このワークブックの体験から、事前に計画を立てること、その過程で強みと弱み、
得意と不得意を見極めていくことの大切さを知ることとなります。
能力開発の原理原則はこの小学4年生の体験がベースになっています。
ドラッカー教授は生涯、計画を立て自己開発を行っていました。
単純な方法が継続性を高めます。方法と確立と継続する力を身につけたいものです。
佐藤 等