傍観者の時代【経営のヒント 399】
今日も『傍観者の時代』から一言です。
今日もエルザ先生が登場します。
<ドラッカーの一言>
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教えることが楽しいことに気づいた
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『マネジメント<下>』p.67 1973年 ダイヤモンド社
ドラッカー教授の趣味が教師観察であったことは前々号に書きました。
小学校時代のエルザとゾフィーの二人の教師が生涯最高の教師であることを明らかにしました。
後に、社会人になって新聞記者時代のボスである編集長とマーチャントバンクの創業者を挙げました。
後者の二人は、「ドラッカーの人生を変えた七つの経験」
(『プロフェッショナルの条件』Part3第1章に掲載)に登場します。
ドラッカー教授は、エルザとゾフィーに教えてもらったことで自身が教職につくことに
抵抗が無くなったといいます。
さて教授は、何を二人から教えられ、それをもって楽しいと感じたのでしょうか。
教授の言葉を引用します。
「私は、ゾフィー先生から、技を味わう力、優れた作品を楽しむ心、仕事への敬意を学んだ。
他方エルザ先生からは、方法と規律を学んだ」。
その後のドラッカー教授の生き方、思考法、方法論に色濃く反映されているのがわかります。
私を含め、師の存在を意識している方も多いでしょう。
振り返ってみれば、具体的な教科や教えられた内容によって師を選んでいるのではないことがわかります。
影響を与えられた人物が師であり、その究極の師が私淑による師事です。
安岡正篤先生も私淑という生き方を強くすすめています。
私淑とは、面識のない人物から著作等を通して師事することで、地域、年代を問いません。
ドラッカー教授は、「何よりもエルザ先生とゾフィー先生は、教えることと学ぶことの本質と喜びを教えてくれた。
彼女たち自身がそのよい見本だった」と述べたように、見本、手本となることが師を選ぶ基準であることがわかります。
あの人の様に生きたいと思える人物と出会えることは人生の宝物を得るに等しいと思います。
私淑を含めれば師は何でも持てる可能性があります。
あなたの師は誰ですか。
そのお手本に従って行動していますか。
佐藤 等