傍観者の時代【経営のヒント 401】
今日も『傍観者の時代』から一言です。
教師観察ネタは続きます。
<ドラッカーの一言>
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彼らはあえて教えない。
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『マネジメント<下>』p.76 1973年 ダイヤモンド社
ドラッカー教授は教師観察を続けるなかで、一流の教師には「天賦の才をもつ人」と
「人をして学ばせることのできる人」がいるという重要な発見をします。
エルザは後者であると指摘し、方法論で教えるとしました。
その方法論は次に様なものです。
長文ですが重要なので掲載します。
「彼らは、生徒一人ひとりが得意とするものを見つけ、目標を定めてその強みを伸ばさせる。
目標は、長期のものと短期のものとの両方を設定させる。
生徒が不得意とするものに関心を払うのは、その後である。
しかもそれらの弱みは、強みを発揮するうえでの邪魔ものとして扱うにすぎない」。
いかがでしょうか。
一流の教師像と優れたマネジャー像が重なりませんか。
ドラッカー教授は、自己開発の基礎に一流の教師の方法を置いていたことがわかります。
「彼らはあえて教えない」のです。
気づかせるだけです。
文章はさらに続きます。
「そして彼らは、生徒が自らを律し自らを方向づけることができるよう、
彼らが自らの学びをフィードバックする手助けをする。けなすことなくほめる。
しかし、生徒自身が自ら成し遂げたことそのものを誇りとすることができるよう、ほめすぎることはしない」。
人材育成とは自己開発の方向づけを支援すること、自ら律し、修正する手助けをすることです。
私たちは教えられ上手になっていないでしょうか。
真の学びは、教えられる先にはありません。
この本質を知ると知らないでは世界観が格段に異なります。
「彼らはあえて教えない。生徒がよりよく学べるよう、計画を立てる手助けをするだけである。
彼らは、生徒の数とは関わりなく、一人ひとりの生徒に相対する。
したがってどのような生徒を教えること(筆者加筆-学ばせること)もできる」。
ドラッカー教授のこの言葉は、組織に属するどのような人も学べるようにできる方法があると言っているに等しいものです。
学ぶこと、教えることのマネジメントをドラッカー教授の教師観察から修得しましょう。
あなたは、教えることなく、何を学ばせたいですか。
佐藤 等