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組織の目的【経営のヒント 672】

第一に、われわれはマネジメントを、その果たすべき役割によって定義しなければならない。
『経営の真髄』<上>p.58

組織は道具である―前回お話しました。そして組織の目的は何かとの問いを残して終えています。マネジメントの役割と組織の目的は同義です。つまり、組織の目的を実現するためにマネジメントに役割が与えられているのです。マネジメントの3つの役割、つまり組織の目的です。

(1)自らの組織に特有の目的とミッションを果たす
(2)仕事を生産的なものとし、働く人たちに成果をあげさせる
(3)自らが社会に与える影響を処理するとともに、社会的な貢献を行う

組織という道具すべては、社会に対して製品やサービスを提供して顧客に満足をもたらすことを目的にしています。顧客に成果(変化)がもたらされることが存在の前提だということです。

さらに組織で働く人に成果をあげさせる手立てとなるのが組織です。成果をあげるには、仕事(work)を生産的にするとともに、働く(working)人が生き生きと働く必要があります。組織は、社会的な役割を果たすと同時に、そこに属する人に自己成長の場を提供しています。つまり、組織は自己成長の場である。もしくは組織は自己実現の場であるということができます。

また現代社会では、組織は社会で起こる課題を解決する代表的な存在です。自社が生み出す課題(騒音、音、においなど)を解決するのは当然として、他者が生み出す問題や課題を解決する存在です。

以上が組織の目的であり、マネジメントの目的です。道具の目的を間違って使えば、悲劇が起こります。そもそも目的を見失った道具は、その機能を失います。目的の理解を深めましょう。それはマネジメントを学び、身につけるという意味でもあります。

佐藤 等(ドラッカー学会理事)

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