時間軸を意識したマネジメント【経営のヒント 673】
マネジメントにおいて時間が重要な要素であることには理由がある。意思決定が何らかの成果をもたらすには時間がかかるからである。
『経営の真髄』<上>p.63
ドラッカー教授は、前回示したマネジメントの3つの役割に加え、第4の次元として扱うべきものだと指摘しました。マネジメントは、現在と未来、短期と長期を見ていかなければなりません。
たとえば目の前の利益と未来の機会を天秤にかけ、どのような意思決定を行うのかが問われるということです。また短期的なトレンドと長期的なシフトを見極め、意思決定を行います。マネジメントは常に時間軸をもって問題や課題をとらえ、決定し、行動することが求められているからです。
このように時間軸を意識したマネジメントが求められるのは、すべてのものは古くなるからです。事業や製品、サービスも例外ではありません。事業の適切な更新が行われていれば、人の一生を越えて企業の永続性は高まり、社会の道具として機能し続けます。
時間軸をどのように意識しているか。一度立ち止まって振り返りたいものです。
佐藤 等(ドラッカー学会理事)