「プロの経営者、アルフレッド・スローン」【経営のヒント 418】
今日も『傍観者の時代』の第14章「プロの経営者、アルフレッド・スローン」からです。
この章はまだまだ続きます。
<ドラッカーの一言>
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私が本を書くことになるとは
夢にも思っていなかった。
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『傍観者の時代』p.312 1979年 ダイヤモンド社
ドラッカー教授の第三作目『企業とは何か』(1946)は偶然から生まれました。
副社長のブラウンはもちろん、ドラッカー教授も本を書く気は全くありませんでした。
しかし、そう公言した方が調査はやり易いのではと
複数人からアドバイスを受けるのです。
そこでドラッカー教授は出版の差し止めをしてもらっても構わないという条件付きで
本を書くことにすることをブラウンに提案します。
「出版の差し止めについていえば、私には検閲官になる気は毛頭ありません。
しかし、国防上の機密に関わることは公にしては困ります。
事実関係のチェックは協力します。それで全部です。」とブラウンは応じます。
ドラッカー教授は
「本当にそれで全部だった。何を書け、何を書くなの注文は、
ブラウンからも誰からも来なかった」といいます。
しかしブラウンは、この手の本が出版されるはずがないと踏んでいました。
「そんな本、出してくれる出版社がないんじゃありませんか。
マネジメントについての本に関心をもつ読者など、いるはずがありません。
しかし、本を書けばうまくいくというのであれば、どうぞ書き始めてください」。
こうしてドラッカー教授の三作目はスタートしました。
調査終了後、発刊された同書は直ちにベストセラーになりました。
そしてマネジメント・ブームの火付け役となりました。
ドラッカー教授のマネジメントの体系化の取組がここにスタートしました。
佐藤 等