新訳版【経営のヒント 445】
『経営者の条件』、『創造する経営者』、『イノベーションと起業家精神』、『現代の経営』、
『乱気流時代の経営』-以上は「新訳版」。
その他として旧版『非営利組織の経営』、『プロフェッショナルの条件』から
「人生を変えた七つの経験」。
『経営者の条件』、『明日を支配するもの』、『断絶の時代』、『ポスト資本主義社会』、
『マネジメント』、『傍観者の時代』-以上は「エターナル版」。
スタート時はエターナル版がありませんでした。
ずいぶんと回を重ねてきたものだと思います。
さて、今回から取り上げる著作は自著『実践するドラッカー』です。
5冊の中からランダムに取り上げていきます。
≪ドラッカーの一言≫
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組織社会において、人は自らの組織を自らの
目的、価値、欲求に役立たせるために体系的
な情報を必要とする。
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『実践するドラッカー行動編』p.158
原典-『断絶の時代』p.268
いずれもダイヤモンド社
世の中には「会社に使われている」という不思議な言葉が存在します。
道具に使われるというのは主体性を奪われた状態です。
車に使われていると言わないように、組織にも使われてはなりません。
ドラッカー教授は、組織は道具であると明言しました。
上記の「人は自らの組織を~に役立たせる」と表現したのはこのためです。
組織が手段、道具であるからには、その使い方に習熟していなければなりません。
いかがでしょうか。
組織の使い方といわれても困る方も多いと思います。
しかし、少なくとも意識を変えることはできるはずです。
「会社に使われる」のではなく「会社は使うものである」との意識の転換です。
この差は天地、180度の違いをもたらします。
指示待ち族の棲家は「会社に使われている」と考えている層にあります。
主体性を取り戻すことです。
経営者も従業員も主語は私です。
すべての人は、自分の目的のために働きます。
しかし間違ってならないのは、組織に目的があるということです。
その目的は使命、ミッションなどと呼ばれます。
経営理念という文章になっていることも多いと思います。
「会社を使う」のは、この組織の目的を実現するためでなくてはなりません。
組織の目的と個人の目的を調和させることがマネジャーの最大の仕事です。
このことには真剣に取り組まなければなりません。
理想論などと言って片づけてはなりません。
その際に重要なことをドラッカー教授は指摘しました。
「体系的な情報」が必要であると。
教授は、体系的情報とは、
一つ学べば次に何を学ぶかが明らかなものであると言いました。
さて私たちビジネス・パーソンが身につけるべき最も重要な「体系的な情報」とは何でしょうか。
次のドラッカー教授の言葉に答えがあります。
「マネジメントとは一つの体系である。単なる常識の一とすべきものではない。
経験集でもない。一つの立派な知識体系である」
(『マネジメント』)。
私たちが第一に身につけなければならないものは、マネジメントという知識体系です。
マネジメントという道具なしに「組織を使うこと」はできません。
マネジメントという道具なしに主体性は取り戻せません。
マネジメントとは教えられる対象ではありません。
学び、身につけるべき実学です。
そのための最良の場の一つが「読書会」だと実感しています。
筆者が行った過去600回以上の「読書会」は知恵が凝縮された方法です。
そして、確実に言える事実があります。
成果をあげている人は、継続して読書会に参加しているという事実です。
札幌では6月26日(金曜日18:30~)から「ドラッカー読書会」入門クラスが始まります。
この機会に腰を据えてマネジメントという実学を身につける機会に参加して下さい。
全国各会場の開催情報は、事務局までお問い合わせをお願いします。
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<実践のための問い>
体系的な情報としてのマネジメントを身につけるために、
どのような方法で継続学習をしていますか?
佐藤 等