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実践するドラッカー行動編【経営のヒント 450】

今日は『実践するドラッカー行動編』から一言が続きます。
筆者は「行動編」をセルフ・マネジメントの「総論」として位置づけています。
どんな能力の修得にも必要なことだからです。

<ドラッカーの一言>

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知識社会においては、継続学習の方法を身につけておかなければならない。内容そのもの

よりも継続学習の能力や意欲のほうが大切である。ポスト資本主義社会では、継続学習が

欠かせない。学習の習慣化が不可欠である。

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『実践するドラッカー行動編』p.144
原典―『ポスト資本主義社会』p.253

1993年にドラッカー教授は『ポスト資本主義社会』という著書を著します。
ポスト資本主義社会とは資本主義の「次」の名前がついていない社会ということです。
ドラッカー教授はその社会の性格を知識社会であると述べました。

時代はこれまでの資本主義である金融資本主義から、
ポスト資本主義社会=知識資本主義ともいうべき時代に移行しています。
筆者は金融資本主義が終わった日を2008年のリーマン・ショックと見ています。
ギリシャが6月30日にIMFに債務返済できない事態に陥りました。
報道は「観光業以外に大きな産業もなく」と枕詞のように用います。
事実、観光業とその関連業界が経済に及ぼす影響は、GDPの20%にも及ぶといいます。

ひるがえって我が日本はというと、ギリシャどころではない国の借金が累積しています。
その金額1000兆円超、世界一の債務国です。
日本の場合、「観光業以外に大きな産業もなく」という先の言葉は
「自動車と電機に先導される日本」という言葉に置き換わります。
今世紀に入っても輸送機械、電機、鉄鋼、一般機械というグローバル製造業が
GDPを牽引している姿に変わりはありません。

しかし一方で、シャープの液晶パネルの失敗にみられるように市場規模が
拡大しているにも関わらず、世界シェアを落としている製品がDRMメモリー、
カーナビ、DVDレコーダー、リチウムイオン電池など多数あります。

この姿は何を表しているのでしょうか。
「学ぶ力」よりも「学んだことを捨てる力」を身につけなければならないといいます。
学習の習慣化とは、すでに学んだことを更新することでもあります。
既存のものを陳腐化させるためには、必要なときに学ぶのではなく継続して学ぶ必要があります。
継続して知識という資本を個人と組織に蓄積していくプロセスを構築しなければなりません。

趣味などを学ぶ生涯学習とは別次元のことです。
知識労働者の生産性をあげるために必須のものとして
継続学習という能力を身につけていきましょう。

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<実践のための問い>
すでに学んだことで、更新が必要な分野・領域は何ですか?

佐藤 等

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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