予期せぬものunexpected【経営のヒント 465】
今日のテーマは「予期せぬものunexpected」についてです。まずは今日の言葉から。
<ドラッカーの一言>
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本当に重要な問いは、次のような稀にしか提起させない問いである。
しかし、それらの問いこそ、われわれに予期せぬものを教えてくれるものである。
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『実践するドラッカー 事業編』p.82
原典―『創造する経営者』p.129
ドラッカー教は、通常のマーケティング分析では用いられない問いを挙げました。
マーケティング分析の死角ともいうべきものです。
その代表的なものが「非顧客(ノンカスタマー)に聞け」です。何を聞くのか?具体的に示しています。
1.ノンカスタマーになぜ私たちの顧客になっていないのかを問う
2.ノンカスタマーは他社から何を買っているのか
3.ノンカスタマーは他社から買っているものは顧客にとっていかなる価値があるのか
4.上記の価値は、わが社の製品やサービスから得られる価値と潜在的に競合するのか
5.それらの価値はわが社の製品やサービスで提供可能か
6.それらの価値以上のものをわが社の製品やサービスは提供できるのか
ノンカスタマーからの情報は通常私たちの知覚の範囲外です。
つまり情報を取得するアンテナが圏外となっている状態です。
この世のビジネスの大半は自社のシェアよりも他社のシェア合計が大きいはずです。
つまり大きな潜在市場があるはずです。
にもかかわらずそれらには。目が向けられていなのが現実です。
ドラッカー教授はそれを「予期せぬもの」と表現しました。
通常見ないものを見る工夫が必要です。その代表例が「ノンカスタマーに聞け」です。
『実践するドラッカー〔事業編〕』に掲載した「十勝バス 顧客創造物語」は
実際に3年間にわたり1000世帯に路線バスに乗らない理由を聞いた結果です。
顧客が20%も増えたという実践成果が報告されています。有力な方法として活用して下さい。
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<実践のための問い>
私たちの顧客になっていてもおかしくないのは誰か。それはなぜですか?
佐藤 等