予期せぬものunexpected【経営のヒント 466】
今日のテーマは「予期せぬものunexpected」の続きです。ドラッカー教授の言葉は前回と同じです。
<ドラッカーの一言>
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本当に重要な問いは、次のような稀にしか提起させない問いである。
しかし、それらの問いこそ、われわれに予期せぬものを教えてくれるものである。
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『実践するドラッカー 事業編』p.82
原典―『創造する経営者』p.129
前回は、予期せぬものを手にする方法として「ノンカスタマーに聞け」を紹介しました。
ドラッカー教授はその他にも方法を挙げました。
1.顧客は何にお金と時間を使っているのかを問う
2.わが社の製品やサービスのうち、本当に重要な満足を提供しているものは何か
3.いかなる状況がわが社の製品やサービスなしでもすむようにしてしまうか
4.いかなる状況がわが社の製品やサービスなしにすまさざるをえなくしてしまうか
5.顧客の考え方や経済的な事情からして意味ある商品群は何か
6.競争相手になっていない者は誰か。それはなぜか
7.わが社は、誰の競争相手にまだなっていないか
8.わが社の事業の一部と考えていないために、わが社には見えていず、試みてもいない機会はどこになるのか
9.完全に不合理に見える顧客の行動は何か。
10.顧客の現実であってわが社に見えないものは何か
ドラッカー教授はいいます。「顧客の行動を自らに有利なものにできないならば、自らを顧客の行動に適応させなければならない。
さもなければ顧客の習慣やものの見方を変えるという、はるかに難しい仕事にかからなければならないことになる」。
自分の知覚できる範囲は経験や情報網、付き合う人脈などで変化します。
しかし最も重要なことは非顧客を含む顧客に目を向けることが重要です。
忙しいビジネスマンが1時間近くも散髪に時間をかけているという現実をビジネスに変えたQBハウスの例など
大きなイノベーションの機会がそこにはあります。「予期せぬもの」を知るための問いを活用しましょう。
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<実践のための問い>
完全に不合理に見える顧客の行動は何か。そこにどのような機会がありますか?
佐藤 等