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マネジメントとは知ることではなく、実践することである【経営のヒント 475】

言葉は道具である。ドラッカー教授はそう考えていました。
多くの場合は情報を取得し、使った情報を発するのは言葉によってです。
つまり読み、聞きして情報をインプットし、話し、書くことで情報をアウトプットします。

ミッションやビジョンなどに仕上げるのも言葉によってです。

これを伝え、組織に方向づけするのも言葉によってです。
組織という異質な人が集まる場では、人の意識を変え、行動を促すのは言葉によってです。
マネジメントを行うための道具として言葉があるのです。ドラッカー教授は言います。
「マネジメントとは知ることではなく、実践することである」と。

稀に武道や茶道などのように型や所作、つまり動作から入る場合もあります。
「道」がつく世界はほとんどこのパターンです。
もしかしたら体育会系の組織はこちらのパターンかもしれませんが、
同好会系のサークル全盛期ではこのような組織づくりも難しいのかもしれません。

さて、言葉にも種類があります。形容詞、動詞などの分類は語学を身につけるときには重要です。
マネジメントを身につけるために重要な分類は、目的、定義、原理、コンセプトなどです。
言葉を換えるとこれらが最初に身につけるべき言葉です。

「知識労働者」「マネジメント」「マーケティング」などはドラッカー教授が生み出したコンセプトです。
現象や現実、役割に名前をつけました。組織の目的、事業の目的を言えるでしょうか。
目的を知らずして適切な行動をとれると到底思えません。
今日の一言はどのような言葉に分類されるでしょうか。

<ドラッカーの一言>

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事業とは、市場において知識という資源を経済価値に転換するプロセスである。

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『実践するドラッカー 〔事業編〕』p.6
原典―『創造する経営者』p.114

今日の一言は「事業の定義」を表しています。
定義を身につけていれば(最低でも記憶していれば)、事業をブラッシュアップする基本がわかります。

第一に、経済価値と表現された顧客価値をどのように高めるかを考えなければなりません(アウトプット)。
第二に、そのためにどんな知識を蓄積すれば事業の価値や独自性が高まるかを考えなければなりません(イントプット)。
第三に、これらインプットとアウトプットをつなぐプロセス、つまりどのような事業活動を生産的に行うかを考えなければなりません。

このように定義を知っていれば、常に何に意識を向けなければならないかがわかります。
顧客満足が重要だ、独自化が大切だとセミナーで習ったから朝礼で話すのではないのです。
独自化が経済価値を高め、顧客満足と呼ばれる経済価値(顧客価値)を高めることが事業というプロセスのクオリティを高めるのです。

言葉を身につけましょう。そのためにマネジメントの言葉に出会える「読書会」に参加しましょう。
「読書会」は現在、14都道府県、20カ所(開催実績含む)に広がっています。ともに学ぶ仲間とともに言葉の使い方を身につけて行きましょう。

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<実践のための問い>

あなたが普段、最も使っているドラッカー教授の言葉は何ですか?

佐藤 等

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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