その存続を運に任せることになる【経営のヒント 476】
「生き残ることはできない」「その存続を運に任せることになる」と断じる今日の一言は、衝撃的な響きを私たちに与えます。
<ドラッカーの一言>
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機会をもたない企業は生き残ることができない。そして潜在的な機会の発見に
努めない企業はその存続を運に任せることになる。
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『実践するドラッカー 〔事業編〕』p.212
原典―『創造する経営者』p.228
「機会をもたない企業は生き残ることができない」これは、原理を表しています。
方法ではありません。機会がイノベーションの源泉となります。
セミナーで「イノベーションを起こさなければいけない」と習ったから
イノベーションに目を受けるのではなく、まず機会を見る眼を養わなければなりません。
ドラッカー教授はイノベーションの七つの機会として具体的に示しました。
1)予期せぬもの(予期せぬ成功、予期せぬ失敗)
2)ギャップの存在(業績ギャップ、認識ギャップ、価値観ギャップ、プロセスギャップ)
3)ニーズの発見(プロセス・ニーズ、労働ニーズ、知識ニーズ)
4)産業構造の変化(産業構造、市場構造)
5)人口構造の変化
6)認識の変化
7)新しい知識の出現
詳細の説明は『イノベーションと企業家精神』に譲りますが、機会は潜在的であるがゆえに発掘する能力が求められます。
イノベーションの前に機会という種をいくつ探し出せるかが重要です。そのうち一つものにできるかどうかです。
一つの機会を見つけて一つ挑戦する。失敗する…それからまた探す…のではなく、
いくつかの機会を常に意識して発掘し、並行して小さな挑戦を連続的に続けていくことが重要です。
経営は運に頼らないことが求まられます。
振り返って、あの時は運が良かったというのは準備し、挑戦していた証拠です。
何も変えなければ運も近づきようがないというものです。
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<実践のための問い>
イノベーションの種となる機会を三つ以上挙げてみてください。
佐藤 等