時間の記録について【経営のヒント 481】
前回は時間の記録についての一言でした。
これはドラッカー教授の時間管理の第1ステップです。
今日の言葉は第2ステップに関するものです。
<ドラッカーの一言>
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次にくる一歩は体系的な時間の管理である。時間を浪費する
非生産的な活動を見つけ、排除していくことである。
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『実践するドラッカー 〔行動編〕』p.24
原典―『経営者の条件』p.58
ドラッカー教授は単なる時間管理ではなく「体系的な時間の管理」といいました。
「体系的」は原文でsystematicです。筆者は体系的の意味を「定時」「定量」と考えています。
たとえば毎年、6月までに今年行っている活動の10%をやめたり、
任せたりする活動として特定し、半年かけて実際に廃棄していくなどのように考えます。
ポイントは「非生産的な活動」という言葉です。生産性ゼロではないところが悩ましいところです。
生産性の観点から活動を見ると<生産的な活動⇔非生産的な活動⇔生産性ゼロの活動>のようになります。
生産性ゼロの活動は容易にわかります。問題は非生産的な活動というグレーゾーンです。
いくつかのポイントがあります。
1)過去には生産的な活動であっても、今は非生産的な活動に属する活動は何か
2)自分の得意分野や強みを生かせないが過去に適任者がいなかったことから担当している活動は何か
3)人に任せた方が効果的な活動は何か
これらの問いから仕事や作業と読み替えることでより多くの情報を引き出すことができます。
この言葉から時間管理は活動管理であることがわかります。
時間の量を確保するためには「時間の記録」からどんな活動に時間を使っているかを分析します。
その後、特定された活動の排除に努めます。
廃棄こそ時間管理の要です。
また、ドラッカー教授のマネジメントにおいて最も早く効果が出る分野の一つです。
ドラッカー教授の時間管理を身につけましょう。
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<実践のための問い>
あなたが考える廃棄のための「定時化」「定量化」の工夫は何ですか?
佐藤 等