小企業のマネジメント、中企業のマネジメント、大企業のマネジメント【経営のヒント 354】
第54章「小企業のマネジメント、中企業のマネジメント、大企業のマネジメント」からお届けします。
まずは今日の一言から。
<ドラッカーの一言>
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異なる規模の企業が相互依存関係にあって、
中小は大を求め、大は中小を求める。
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『マネジメント<下>』p.66 1973年 ダイヤモンド社
世の中には、小企業、中企業、大企業があります。
どのクラスが主流となるということはありません。
相互補完という意味で依存関係にあります。
小企業と中企業は大企業に依存し、逆に大企業も中小企業に依存しています。
この状況は、今後大きく変化することはないでしょう。
ところで小と中、中と大を区分する基準は何でしょうか。簡単に見えるのですがこれといった基準はありません。
ドラッカー教授が挙げた基準は、従業員、売上、付加価値です。
どれも基準としては一長一短。
500名のコンサルタントを擁する企業は、従業員規模からすると小企業レベルでしょうが、業界での地位やマネジメントの難易度は、大企業並です。
年間売上でいえば大企業でも、業種や業態によっては一人でマネジメント可能な場合もあります。
ドラッカー教授の基準は、マネジメント人材と中心的な人材の数です。
小企業はトップマネジメント一人で中心的な人材15名以内、
中企業は3~4名のトップマネジメント・チームで中心的人材は40~50名としました。
これに対して大企業は組織図や記録を事前に調べなければわからない状態であるとしました。
このように企業規模を問題にしているのは、
それぞれの企業の規模でマネジメントのスタイルが異なるからです。
このことを知らないと、
中企業になっても小企業マネジメントスタイルそのままであるとか、間違って大企業のマネジメントスタイルを導入したりと、影響を及ぼす局面が少なくないからです。
次回以降、それぞれの企業規模にしたがったマネジメントの原理と方法を具体的に説明します。
わが社は、小企業なのか、中企業なのか、大企業なのかを今一度、考えておいてください。
次回以降の準備になります。
佐藤 等