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創造する経営者【経営のヒント 525】

AI(人工知能)が将棋や囲碁の名人たちを撃破して、
開発した各社はプロジェクトの終了を宣言しました。
この現実はAIがチェスの名人を破った1988年にはすでに起こった
未来だったのです。

<ドラッカーの一言>

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すでに起こった未来を見つけ、
その影響を見ることによって、新しい知覚がもたらされる。
新しい現実が見える。

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『創造する経営者』p.243

ドラッカー教授は言います。
「機会とは、遠くにあるものでも曖昧模糊たるものでもない。
しかしまず初めに新しい事態を認識しなければならない」
機会は目の前にあるのです。新しい事態を認識する努力が必要です。

「まず必要なことは見えるようにすることである。
できることやしなければならないことは、その後簡単に見つかる」
私たちは「しなければならないこと」に意識が向きがちです。
しかしそれは機会ではなく問題を拾い上げているにすぎません。

そのために有効な問いが
「予測ではなく、そのことはすでに起こっているのではないか」です。
すでに起こった未来を見つけるという方法が有効なのは、
それは私たちに「深く染みついた考え方や、仕事の仕方や習慣に
疑問を投げかけ、ひっくり返すからである」。

AIはすでに起こった未来です。
私たちの明日の仕事にどのような影響があるかを考えることは
未来を考えることではなく今日なさなければならないことを
明らかにするのです。
あなたの仕事にAIはどのような影響を与えますか?

佐藤 等

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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