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組織は道具である【経営のヒント 671】

組織が存在するのは、組織自体のためではない。社会的な目的を果たし、社会、コミュニティ、人のニーズを満たすためである。
『経営の真髄』<上>p.58

ドラッカー教授は、組織は社会的な機関、もしくは社会の道具であるといいます。つまり組織が存在する目的は社会のためであるということです。

組織は道具である―この言葉こそ、マネジメントの一丁目一番地に据えるべきだと筆者は確信しています。組織は、株主のものだとか、一族のものだなどと思うところに落とし穴があります。

企業を代表とする組織は、およそ250年前に人類が生み出した仕組みであり、道具です。人が住む場所として家屋を生み出したように、他人が集まって仕事をする仕組みを人類は生み出したのです。マネジメントとは、その道具の上手な使い方にほかなりません。

道具には目的が必要です。目的のない道具はガラクタになるからです。組織という道具の目的を知らずに使えば、人を殺すこともできるとドラッカー教授は言います。組織に使われていると感じて働いている人がいることは、その証拠です。組織が誤用されています。つまりマネジメント不全です。

組織という道具の目的は何か。次回までに考えてみて下さい。目的を知らずして経営を行えば必ず失敗するからです。マネジメントの一丁目一番地に今一度、立って虚心に考えてみたいものです。

佐藤 等(ドラッカー学会理事)

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