組織という道具には目的がある【経営のヒント 543】
原理・原則にしたがっているからといって成功は保証されるわけではありません。
しかし原理・原則に反したとき長期的には必ず失敗が約束されています。
教授からそのマネジメントの哲学を学べば学ぶほどマネジメントとは失敗しないために
身につけなければならないものだということを思い知らされます。
「失敗しないための原理のマネジメント」
今年初めからお伝えしているベースにある考え方です。
成功を求めて原理に反した方法をとるという愚を犯さないために原理のマネジメントを
大いに活用したいものです。
<マネジメントの原理2>
組織という道具には目的がある
社会的道具としての組織には必ず目的があります
この原理には3つの目的があることは540号に書いた通りです。
前々回(541号)では第一の目的について、前回(542号)では第二の目的について
述べました。
今回は組織の第三の目的「社会にある新しい課題を解決すること」についてです。
現代は組織社会です。
組織という道具を使って社会の課題を解決する時代ということです。
たとえばドラッカー教授が描いた「シアーズ物語」(『現代の経営』1954)では、
それまでの市場から隔絶していた農民にカタログで販売するという方法をビジネスとして
成立させたシアーズの躍動を描いています。
19世紀末から20世紀初頭、農民という隔絶された市場に商品を届けるという新しい課題に
果敢にチャレンジしたのです。
この姿は現代ではイノベーションと呼ばれ今に引き継がれています。
たとえばamazonの発展は、eコマースを用いた現代版シアーズ物語ともいえます。
たとえばamazonは、書店の店頭から排除されたいわゆる死筋商品も即時に手に入るという
課題を解決しました。
このような社会的課題を解決する主体者は企業をはじめとした組織です。
これは組織の重要な目的なのです。
組織をもって社会的課題を解決させる道具と考えることが重要です。
それは新しい変化を組織の機会に変えることに他なりません。
組織が変化に対応するとはより積極的な活動だということです。
組織の目的の解説は以上です。3つを再掲します。
これらは方法ではありません。原理に属するものといえましょう。
第一に、組織の目的は社会において特有の役割(ミッション)を果たすことです
<マネジメントの原理3>
第二に、組織の目的は所属する人を成長させることです<マネジメントの原理4>
第三に、組織の目的は社会にある新しい課題を解決することです<マネジメントの原理5>
5つの原理は組織のマネジメントとして最重要の原理です。
全体の確認を再度お願いします。
佐藤 等