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イノベーションも事業である【経営のヒント 559】

今日からイノベーションに関する原理をみていきます。
<マネジメントの原理7>あたりから始まる事業に関する原理をスタートラインとします。

<マネジメントの原理20>
イノベーションも事業である

当然すぎて原理として明示する必要もないように思えますが、この確認は意外と重要です。
というものイノベーションを特別視するあまり基本を外してしまうからです。

<マネジメントの原理9>
事業が成立する3つの要素。
・事業は組織を取り巻く環境に適合していること
・事業は組織の使命にそっていること
・事業は組織の強みを生かせること

たとえばイノベーションは環境の非適合を機会とすることが多いのでこの要素を外すことは
ありえませんが、第2の要素である使命(ミッション)からかけ離れたイノベーションを
起こそうとしているケースが見分けられます。
また機会を追求するあまり強みを生かすという基本を忘れてしまいます。

したがって<イノベーションの原理>はすべての<事業の原理>を満たしていない限り、
失敗するといえます。

さらに<マネジメントの原理10>を再確認しておきましょう。
事業を定義する(「われわれの事業は何か」を問う)

この問いにはバリエーションがあります。
未来の事業を定義する(「われわれの事業は何になるのか」、
「われわれの事業は何であるべきか」)
<マネジメントの原理21>

「われわれの事業は何になるのか」という問いに向き合うことで、企業を取り巻く環境が
変化する中で自分たちの事業はどのような影響を受けるのかを考えることになります。

「われわれの事業は何であるべきか」は、イノベーションのための問いです。
環境が変化し、事業が劣化する中で、変化を機会に変え、イノベーションを考える際に
用いる問いです。

次回からはイノベーション特有の原理について考えていきます。

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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