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新しいことを始める前に既存のものを廃棄する【経営のヒント 562】

私たちのビル(道銀ビル)の10階に<HK・イノベーション・プラザ>を開設して1年が
経ちました。
その間、「イノベーション研究会」を2クール(全8回)開催させて頂きました。
直近の4回では「イノベーションの起こし方」をテーマに掲げて、イノベーションの機会の
探索を実践的に学びました。
イノベーションの起こし方のイロハのイといったところです。

さて、引続きイノベーションに関する原理を取り上げます。
イノベーションの機会は、イノベーション種のようなものです。
将来、事業として立ち上がることを目指します。
一方でイノベーションの機会の探索とともに大切なことがあります。

新しいことを始める前に既存のものを廃棄する
<マネジメントの原理26>

既存の「もの」には、様々なものが入ります。
大きな「もの」は事業です。
製品やサービスのこともあります。
店舗や工場の閉鎖などもあります。
やり方の変更もあるでしょう。
これらに共通することは、廃棄に伴い経営資源が解放されるということです。
ヒト・モノ・カネなどと呼ばれる経営資源は、何らかの形で資源が結合しています。
これを旧結合といいます。
古いパターンで資源が固定化されています。
たとえば、ある工場を閉鎖して事業をやめることで、そこで働いていたヒト・モノ・カネが
解放されます。
イノベーションを起こすには経営資源が不可欠です。
これらを潤沢に持っている企業はありません。
何かをやめて、余剰の資源を他に振り向けるというパターンが健全です。
そのために必要な行為が廃棄です。
廃棄は体系的に行う必要があります。
たとえば毎年、10月に3年以内にやめることを3日かけて話し合う会議をおこなうなど
ルーティーン化することです。
廃棄は、新しいことを行うための積極的な行為です。
それは未来から求められているのです。

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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