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もしいま行なっていなかったとして、いま始めるか【経営のヒント 704】

「体系的かつ意識的な廃棄を行わないかぎり、次から次へと組織は問題に追われる」
『経営の真髄』<上>p.158

「人間のつくるものに、永遠のものはない。とくに今日では長く生き続けるものはほとんどない」。前回指摘した永遠の法則であり、常に事業の定義の陳腐化を予防することに意識を向けなければなりません。

この法則に抗して陳腐化を回避する方法は、2つしかないとドラッカーはいいます。

その一つが「体系的廃棄」です。

3年おきにすべての活動を見直す必要があるといいます。体系的の意味は、定期的に、網羅的にという意味です。

その際のゴールデン・クエスチョンがあります。

「もしいま行なっていなかったとして、いま始めるか」

決して行ってはならないことや、もはや行うべきでないことに最高の資源を浪費し続けることのないように、真摯にこの問いに向き合います。

廃棄の本質は、経営資源の解放です。もしこれを怠れば、目の前に現れた機会に対して投入すべき資源の欠乏を招きます。新しい未来には、積極的な廃棄が不可欠です。

 

佐藤 等(ドラッカー学会理事)

 

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