資源とエネルギーを動員するために【経営のヒント 715】
目標は絶対のものではない。すなわち、方向づけである。
『経営の真髄』<上>p.186
目標という道具を私たちはどのように使っているだろうか。ドラッカー教授は、目標を拘束衣にしてはならないといいます。絶対達成目標などという形で使っていないだろうか。
目標は期待にすぎず、期待は推測にすぎないともいいます。なぜなら事業の外にあって自分たちでコントロールが及ばない世界についてのものであるからである。
であれば目標の役割は何か?
未来をつくるために行動に方向づけを与え、資源とエネルギーを動員するために目標はあるのです。
つまり目標には、人の意識をそこに向け、行動を集中させることで事業が推進されるという因果関係が求められます。重要な活動は何かを問うことが重要です。そしてその活動を推進させるためには、何を測定すればよいのかを考えます。
目標という道具の正しい使い方を今一度考え直す必要があるかもしれません。
佐藤 等(ドラッカー学会共同代表理事)