未来を築くための仕事に取り組む【経営のヒント 721】
われわれは未来を築くための仕事に取り組まなければならない。
『経営の真髄』<上>p.198
ドラッカー教授が挙げた目標は多数の分野に渡ります。マーケティングやイノベーションに関する目標、ヒト、モノ、カネという経営資源の調達に関する目標、また経営資源の使い方の効率、効果性をみる生産性目標に加え社会的責任に関する目標の7つです。
第一のバランスは、7つの分野における目標と利益とのバランスです。目標を達成するための必要条件が利益だからです。
第二のバランスは、7つの分野の目標間のバランスです。独立した目標は一つもありません。限られた資金をどこに投下するのかなど、トレードオフの関係にある目標もあるからです。
第三のバランスは、現在と将来のバランスです。どちらかを優先するのではなく、現在の犠牲と明日の犠牲をいかにバランスさせるかです。それはリスクの負い方という側面を含みます。
これらに公式はありません。リスクを取った意思決定です。目的や今置かれた状況によって都度判断すべきものです。
佐藤 等(ドラッカー学会共同代表理事)