ホーム経営のヒント後戻りしない大きな変化【経営のヒント 722】

経営のヒント

HINT

経営のヒント

後戻りしない大きな変化【経営のヒント 722】

すでに起こった未来は、必ず機会をもたらす。
『経営の真髄』<上>p.198

「すでに起こった未来」は、組織の外の世界に起こっている変化です。その領域は、社会、知識、文化、経済構造の変化として表れます。

その変化は、本質的な変化であり、量が増減するトレンドという変化ではなく、質的なパターンの変化であり、後戻りしない大きな変化です。トレンドに対してこのような変化を「シフト」といいます。

変化が本格的に影響を現すようになるには、タイムラグがあります。しかしいつその影響が本格的になるかは、誰にも分りません。しかし本質的な変化の影響は、いつか必ず起こることを前提に準備を進めておかなければなりません。

このような変化がもたらす影響を予期して経営資源を投下します。そこにはリスクも不確実性もあります。しかしそれは、とどまること、つまり古いパターンに資源を投下し続けることと天秤にかけた経営判断でなければなりません。

そのためには、知識を超えた見識と行動のための胆識が欠かせません。知識・見識・胆識、常に鍛えておきたいものです。

 

佐藤 等(ドラッカー学会共同代表理事)

 

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

関連記事