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管理手段【経営のヒント 309】

『マネジメント』<中巻>第39章「管理手段」から今日の一言です。

<ドラッカーの一言>
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データをとられることは重視されたことを示す。
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『マネジメント<中>』p.160 1973年 ダイヤモンド社

ドラッカー教授は、企業の管理手段には3つの特徴があるとし、「第一に、管理手段は客観的とも中立的ともなりえない」とした。
企業でデータをとるということは、客観的な行為ではなく主観的な行為です。それは物体の落下スピードを測定したり、気温を測定したりする行為とは異なります。

誰かが何かの意図をもってデータに注目し、計測していることを示しています。対象が物理的現象ではなく、社会的現象だからです。
それゆえの冒頭の一言です。ある一点に注意を向けたということは何らかの価値を置いたに等しいことです。

管理手段として「目標」が多くの場面で用いられます。目標とは、最重要のデータということができます。組織に属する多くの人が注目し、意識するようになります。

新たな目標は、新たな意識を生みます。「データをとることがビジョンを生み出す」とドラッカー教授は至言を口にしました。
それゆえ「何のデータをとるか」は重要です。何に組織やチームの意識を向けさせるかでビジョンが変わってきます。
今一度、データをとるという基本的な行為を見直してみませんか。

佐藤 等

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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