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一流のNPOは、ミッションすなわち目的の定義に力を注ぐ【経営のヒント 741】

企業がNPOから学ぶべきことの第一が、ミッションをもつことである。ミッションを持つことによって、はじめて行動に焦点を合わせることができる。
『経営の真髄』<上>p.249

ミッションの役割は目的性にあります。目的が決まらなければ方法や手段が決まらないのは、必然である。その結果、経営資源やエネルギーを集中するポイントが定まらない、つまり散漫になります。

真に有効なミッションを持てば、「組織とくに大組織が陥る進行性の病、すなわち、かぎられた資源を生産的な活動に集中せず、面白そうなことや儲かりそうなことに分散させる過ちを防ぐことができる」

ドラッカー教授は、「一流のNPOは、ミッションすなわち目的の定義に力を注ぐ」といいます。三流の企業は、ミッション(理念)を形式的に定め、面白そうなことや儲かりそうなことに資源を分散すると言えそうです。

NPOには無給のボランティアが存在します。目的なしに彼ら、彼女らが働くことはあり得ません。それゆえ目的の定義に力を注ぎます。企業には有給のスタッフしかいません。ミッションの定義に力を注がなければ、彼ら、彼女らは、ただただ給料をもらいに来ているだけの存在になります。業績は言わずもがなではないでしょうか。

 

佐藤 等(ドラッカー学会共同代表理事)

 

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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