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仕事を組織化する【経営のヒント 744】

企業がNPOから学ぶべき第二のものが、取締役会のあり方である。
『経営の真髄』<上>p.253

企業がNPOから学ぶべきことの第一は、ミッションをもつことでした。ドラッカーは、企業の取締役会として機能する理事会からそのあり方を学ぶべきだといいます。

なぜなら、NPOの多くが、企業ではいまだ稀有というべきものをもっているからです。ドラッカーが注目したのは以下です。
(1) 理事会内の小委員会によってその仕事ぶりが評価されるCEO
(2) 事前に設定された基準に照らし、自らの仕事ぶりを評価する理事会

これらの結果、「理事会とCEOそれぞれの役割を明らかにすることは、CEOの責任であることを学ぶにいたっている」といいます。

ポイントは、理事会の役割について論じるのではなく、仕事を組織化することです。例えば、寄付金集めであれば、そのための仕事や作業を考え、仕事を設計することです。自らの仕事の基準があってはじめて、自己評価は可能です。

NPOの理事の多くは無償のボランティアです。それゆえミッションへの共感は欠かせません。何のためにやるのかを深く理解しなければ、どうやるのかを考えることはできません。いずれにしてもNPOから学ぶことは多いといえそうです。

 

佐藤 等(ドラッカー学会共同代表理事)

 

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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