仕事の目的から決まる「なされるべきこと」に集中する【経営のヒント 761】
知識労働において重要なことは、仕事の目的である。
『経営の真髄』<上>p.336
前々回、「知識労働の生産性を向上させる方法を6つ挙げました。
①なされるべきことは何かを考えることである
②自らの仕事に責任を負わせることである
③継続してイノベーションに取り組ませることである
④継続して学ばせ、継続して人に教えさせることである
⑤知識労働の生産性は量よりも質の問題であることを理解させることである
⑥知識労働者は、組織にとってコストではなく資本財であることを自覚させることである
①なされるべきことは何かを考えることであるは、仕事の目的を考えることと同じです。ドラッカー教授は、仕事は客観的な存在であるといいます。つまり自分の好き嫌いなどで決まるものではないということです。どんな仕事も基本的には顧客に製品やサービスを届けるためにあります。結局、仕事は顧客の存在によって決まるということです。
たとえば形のある製品を作るのであれば、仕事の目的を考える余地はほとんどありません。しかし形のないサービスや間接業務などは、常に仕事の目的は何かを考えなければなりません。さもなければ、作業を行うことが目的のような状態になってしまいます。
仕事の目的から「なされるべきこと」が決まります。そして「なされるべきこと」に集中することが生産性を高める最高の方法になるのです。それ以外の仕事や作業は極力なくしていくことです。
佐藤 等(ドラッカー学会共同代表理事)