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日本が進むべき道【経営のヒント 115】

『ドラッカーの遺言』、第4章は「日本が進むべき道」です。
ドラッカー教授の日本人に対する危惧の章です。しっかり耳を傾けたいと思います。
先ず日本が直面している問題を「グローバル化した世界経済=情報経済」からひどく立ち遅れており、その結果日本が最も苦労する国になると指摘しています。
情報技術分野のライバルは、インド。直接のライバルは、製造分野の成長著しい中国。日本にとっての難敵は、この2国だといいます。
しかし一方で中国において最も成功している国が日本だというのも事実です。
その数少ない成功企業が持っている思考様式が「機会重視型」。
今日の一言は、そんな言葉です。

<ドラッカーの一言>
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あなたたちの多くが「問題解決型」の思考様式に
囚われていて、「機会重視型」の発想を
持っていないことを危惧しています。
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『ドラッカーの遺言』2005年 講談社

もちろん「問題」を放置することは許されることではありませんが、「問題」のみに目を向けることで大切な「機会」を逸することがないようにしなければなりません。
バランスが重要です。ドラッカー教授は、日本の現状を「危惧」していますが、決して「危機」ではないといいます。その危惧は、「変化」を「危機」と勘違いすることです。それは多分、内部におきた「変化」に振り回されて、外部に起こっている「変化」を見ない姿勢です。極論すれば「問題」と「機会」は、「内部」と「外部」という言葉と同義かもしれません。

外部の変化(現実の変化)は、
(1)前回とは決して同じにならないこと、
(2)机上で考える変化より先に現れる、という特徴を持っています。
外を歩き回り、よほどちゃんと観ていないと捉えることができません。
内部にばかりいて、内部の問題ばかりに囚われていては・・。

佐藤 等

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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