イノベーションのマネジメント【経営のヒント 104】
第2部、第3章は、「イノベーションのマネジメント」です。
時代の変化を捉える「物見の役」ドラッカー教授の片鱗が見え隠れする章です。
今日の一言です。
<ドラッカーの一言>
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今日、新しい技術を、新しい製品やサービスに具体化するための
リードタイムが短くなっていると考えられている。しかし、これも実際は
そうではない。はるか昔と同じように、およそ30年から40年である。
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新訳『乱気流時代の経営』(ダイヤモンド社)訳者あとがき より
ドラッカー教授の世界観に社会の変化が経済や政治を変えるというものがあります。社会の変化の一つが技術の変化です。リードタイムの長さは、いまも昔も変わりません。世界初のコンピュータENIACは1946年に生まれましたが、パーソナルコンピュータ普及の源となったMicro Soft社の設立とApple社の設立は1976年、ちょうど30年後です。またその約20年後の1995年にWindows95発売。サン・マイクロシステムズ゛によりJAVA言語が開発されています。現在私たちに不可欠となった技術的なインパクトは、“伝播”というさまざまな時空間を経て伝わります。IT技術が株式取引のあり方を変え、IT技術が個人情報保護法、公職選挙法などの法律に影響を及ぼす。
「すでに起こった未来」と言う言葉は、ドラッカー教授がよく使われますが、このような「技術的な変化」や「人口構造の変化」は既に起こっており、何十年もして経済、政治が変わることを意味しています。
イノベーションの一つのポイントは、これら「変化」に目をつけ、本流の変化をとらえ、事業機会にすることです。
「物見の役」を失った今、私たちも少しずつ目を肥やしていきたいものです。
佐藤 等