明日をマネジメントする【経営のヒント 101】
今日から『乱気流時代の経営』の第2部「明日をマネジメントする」(第1章「成果への集中と昨日の切り捨て」)に入ります。
第1部が「現在をマネジメントする」だったことを思い起こしてください。
明日を創るのは、今日しかないのですが、残念ながら乱気流の時代では、明日が今日の延長線上にはありません。それゆえすべての組織の経営者は、今日と明日という2つの時間軸のなかで活動するために2種類のマネジメントを身につけていなければなりません。
それでは、「明日をマネジメントする」という観点から一言。
<ドラッカーの一言>
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あまりにわずかの企業しか、昨日を切り捨てていない。
そのため、あまりにわずかの企業しか、明日のために
必要な資源を手にしていない。
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新訳『乱気流時代の経営』(ダイヤモンド社)より
「明日のマネジメント」の第一の要諦は、成果をあげるため経営資源を集中すること。集中により生産性が高まり、分散により生産性が低下します。そのためには、昨日を切り捨てることが不可欠です。つまり、もはや生産的ではなくなった過去の製品、事業、意思決定などを「廃棄」することが必要なのです。
現在も続けられている明らかな「失敗」は当然その対象になりますが、始末に負えないのは、もはや生産的ではなくなった過去の「成功」です。
計画的に廃棄する仕組みを持たない限り、現在の事業から成果を生むことができません。また一瞬で通り過ぎる「明日の機会」を逸してしまいます。
「選択と集中」という言葉は、これらのことを端的に表現したもので、よく耳にします。しかし多くの企業では、「選択」もされていなければ、「集中」もされていないという現実があります。選択する場合に私たちが考えておかなければならないのが、「強み」です。強みの上に強みを積み上げることで「卓越性」が生まれます。「卓越性」を活かす分野が選択すべき方向です。そのためにも組織の「強み」づくりが欠かせません。
組織の強みの基盤は、そこで働く知的労働者です。
個々人の強みを知ることで、強固な基盤が生まれます。そして個々人の強みは、天性の資質を知識と技術で磨くことで得られます。
とあるきっかけで私自身の資質(着想、戦略性、学習欲、包含、収集心の5つ)を知る機会に恵まれました。
ぜひ皆さんもご自身の資質を知っておいてはいかがでしょうか?
方法は簡単です。ご興味のある方は、ご一報ください。
佐藤 等