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目標の設定【経営のヒント 122】

第1部「使命が第一」の第3章は「目標の設定」です。
この章は、フランシス・ヘッセルバイン女史との対話です。
女史は、全米ガールスカウト連盟専務理事を13年間務め、数々の改革を成し遂げた実績を持っています。対話は、「顧客の創造」をいかに行ったか、その際目標をどう定め、実行に移したのかを中心に展開されています。

<ドラッカーの一言>
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私の経験からすれば、これこそ、多くの非営利機関にとって
決定的に重要な問題、つまり、報酬ではなく仕事に満足感を
見出すプロのボランティアの獲得という問題に対処するうえ
での秘訣だと思います。
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『非営利組織の経営』 1990年 ダイヤモンド社より

全米ガールスカウト連盟は、「創造すべき顧客」を活動を手助けしてもらえる「ボランティア」と定めました。このボランティアの数次第で手助けしてあげられるガールスカウトの数(最終的な顧客)が決まります。そして彼らは、目標をボランティアの人たちの数と定めました。その際の目標達成のための戦略が今日の一言です。
ここから私たちが学ぶべきことは、最も効果的な目標設定を意識して行うことです。そうすることで優れた戦略が生まれます。
そのうえで固い決意で努力を続ける・・その延長線上にのみ成功がある。

さらに学ぶべきは、今日の一言の中身です。
非営利組織は、働く者に報酬を払いません。そのうえで報酬以外に満足感を持たせることに、あるプログラムで成功しました。私たちは、「人は報酬だけでは動かない」という原則をここでみることができます。ヘッセルバインは、「もう一つ見落としておられる点があります」と前置きした上で「認めてあげることです。誰かが、『ありがとう。すばらしい貢献をしてくれました』と感謝の気持ちを表すことが大事です。」と付け加えています。
この言葉は、営利企業を営む私たちも記憶に留めておきたい一言です。

佐藤 等

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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