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経営者の条件【経営のヒント 145】

【経営のヒント】も今回で145号を数えます。
第1号は2003年1月6日に『経営者の条件』を題材に発行させていただいております。その間何度も読む機会に恵まれ、最近25回目を終えたところです。
毎回多くの氣づきがあります。新訳のエターナル・コレクション版として装いも新たに登場しましたので、2度目の『経営者の条件』を取りあげてみたいと思います。

<ドラッカーの一言>
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成果をあげている者はみな、成果をあげる力を努力して身
につけてきている。そして彼らのすべてが、日常の実践に
よって成果をあげることを習慣にしてしまっている。
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エターナル版『経営者の条件』 1966年 ダイヤモンド社

この著書『経営者の条件』は、原タイトルを“The Effective Executive”といいます。
つまり「成果をあげるエグゼクティブ=できる人」といった意味です。この著書では、成果をあげる知識労働者をエグゼクティブとよんでいます。つまり成果をあげない知識労働者はエグゼクティブではなく、逆に成果をあげることを期待されている知識労働者はたとえ入社1年目でもエグゼクティブです。ここで大切な意識確認の問いを一つ。
「あなたは自分を知識労働者だと思っていますか」。
肉体労働者に対する「知識労働者」という言葉は、一般的ではありませんから「自分は何ものか」を理解している人は、実は少数派です。
「自分は知識労働者なのだ」ということは、肝に銘じておいてください。
さて、その成果をあげることを期待されているエグゼクティブについて述べたものが<今日の一言>です。生まれたときから成果をあげる能力が備わっているわけではなく、努力して身につけるものです。『経営者の条件』は、身につける方法が記されている著書です。その方法とはズバリ、いくつかの能力の習慣化です。
「いくつかのこと」は次回以降に譲るとして、ここでは習慣化そのものに焦点を当ててみます。
人間が成果を出そうと何かを行う場合、どのようなメカニズムで行うかを考えてみたいと思います。といっても難しいことを言うつもりはありません。人間は、何かをしようとしたら行動の前に思い、考えます。つまり思考があり、行動があるということです。ということは、行動を習慣化させるには、まず思考習慣を身につければいいことがわかります。ダイエットをしようとトレーニングジムに通う、終わって美味しい料理とお酒を頂く・・なんてことをよく聞きますが、トレーニングジムに通うという行動は習慣化されていても思考が習慣化されていないため、他の行動が制御されていません。これでは減量という形で成果が出るわけがありません。
教訓!
「成果をあげる習慣は、正しい思考習慣に基づいた行動を続けることによって身につく」。

佐藤 等

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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