社会的責任の限界【経営のヒント 274】
お盆休み後、今日から始動。さて今日は第26章「社会的責任の限界」からです。
今日の一言です。
<ドラッカーの一言>
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社会的責任の最大の限界は、マネジメントが
仕える組織の本業における成果に支障を
きたすことである。
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『マネジメント』p.395 1973年 ダイヤモンド社より
マネジメントの役割は3つあります。憶えているでしょうか、第4章に次の記述があります。マネジメントの世界地図の鳥瞰図といった部分です。
是非記憶に留めましょう。
(1)自らの組織に特有の目的とミッションを果たす
(2)仕事を生産的なものとし、働く人たちに成果をあげさせる
(3)自らが社会に与えるインパクトを処理するとともに、社会的な貢献を行う
今日の一言にある「社会的責任の最大の限界」とは、この第三の役割を果たす際の限界を言っています。本業における成果を犠牲にしてはいけないというわけです。言葉を換えれば、(1)の役割を果たすのが優先だというわけです。
社会的責任を果たすにはコストがかかります。常にトレードオフを検討する必要があります。一つの目安は企業存続のコストである「利益を一定額以上確保しているか」です。
その基準は企業ごとに違いますが、その水準を超えてコストを負担し、社会的責任を果たし続けると限界を超えた行動だというわけです。
経済的な能力をわきまえずに、負担しきれない社会的責任を果たそうとしてはいけないのです。結局そもそもの社会的役割である(1)も負いきれない存在になってはいけません。分相応な対応が求められます。
公職の多い経営者も時間コストを気にしなければなりません…蛇足でした。
佐藤 等