マネジメントと社会【経営のヒント 271】
今日は、第24章「マネジメントと社会」からお届けします。今日の一言からです。
<ドラッカーの一言>
!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!
あらゆる組織にとって、社会的責任とは、自らの役割を
徹底的に検討し、目標を設定し、成果をあげるべき
重大な問題だということである。かくして社会的責任は
マネジメントしなければならない。
!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!
『マネジメント』p.368 1973年 ダイヤモンド社より
ドラッカー教授は、社会的責任は成果をあげるべき重大な問題だとしました。
それは、目標を設定し、マネジメントしなければならないといいます。
しかし一方では、「社会的責任には、企業の経済的機能の遂行を損ない、したがって社会全体をも損なう危険がある」としました。つまり、本来の使命を果たすという観点からは、コストを含め大きな負担となり、結果として企業の継続性が損なわれ、社会に損害を与えるというのです。
さらに「権限のない領域において、企業のマネジメントに権力を行使させるというさらに大きな危険もある」とし、責任を負わせることで権限のない領域まで権限を与え、ついには権力となり、社会に統制不可能なモンスターを生み出す危険もあると指摘しました。
このようなリスクがあるにも関わらず、組織は社会的責任を回避できないといいます。その理由は、「現代社会には、マネジメント以外にリーダー的階層が存在しないから」だとしました。政治家や行政の長ではなく、マネジメントに時代を背負わせようというのです。
リスクがあるけれども、背負わざるを得ない、それが社会的責任です。
どうせ背負うなら、効果的に、効率よく、機会として背負いたいと思います。
そんな社会的責任をこれから数回取り上げます。
佐藤 等