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全員が、組織の壁を越えて【経営のヒント 776】

成果をあげるには、狭い領域への集中と明確な焦点が必要である。多目的であったのでは、組織は成果をあげられない。
『経営の真髄』<上>p.381

この150年間、世界は多元化の度合いを高めてきました。その理由は、自立し専門化された組織だけが成果をあげ生き残ってきたからです。つまり組織社会とは多元社会だということです。

多元とは行動基準が異なるということです。病院は病院を治療し、消防署は火事を防ぎ、消すことを、企業はそれぞれ独自の財サービスを供給します。もし病院は治療から疾病予防に目的を拡げれば間違いなく失敗に終わるでしょう。

それゆえどのような組織も目的・ミッションを実現するために資源を集中しなければなりません。しかし一方で社会全体としての公益を無視することはできません。社会全体のリーダーであることも求められています。もし、この両立ができないのであれば500年前の多元社会のように、崩壊せざるを得ません。

両立のためには、組織に働く者全員が、組織の壁を越えて社会全体に関わる責任を担うことです。「全員が、組織の壁を越えて」がポイントです。つまり、自らのミッションに専念しつつ、組織の壁を超えて行動することです。

 

佐藤 等(ドラッカー学会共同代表理事)

 

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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