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仕事を生産的なものにする【経営のヒント 264】

今日の18章は「仕事を生産的なものにする」、前章と同じタイトルです。
サブタイトルが違います。「管理手段とツール」、前回は「仕事の分析とプロセスへの統合」。前回掲げた下記4テーマの前半(17章)・後半(18章)です。

<仕事が生産的・客観的であるための4つのプロセス>

(1) 仕事に必要な作業、順序などを分析します
(2) (1)の作業を集めて仕事のプロセスとして編成します
(3) (2)のプロセスの中に、方向づけ、質と量、基準と例外などの管理のための手段を講じておきます
(4) 最後にツールが必要になります

ということで管理手段の観点から今日の一言。

<ドラッカーの一言>
!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!
あらゆる仕事がそれぞれ管理を必要とする。
標準などはない。しかし、管理には共通の
条件がある。
!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!
『マネジメント』p.266 1973年 ダイヤモンド社より

「管理」の3つの条件を記します。
第一に、仕事のプロセスを管理することは、仕事を管理するということであって働く人を管理することではない
第二に、管理手段は予め設定しておかなければならない
第三に、管理は、仕事の成果からのフィードバックによって行わなければならない

第一について:典型的な誤りは、倫理的か観点から管理を行うこと。
経済的な視点を優先しなければならない。例えば、不正防止のための99円のロスを防ぐために100円をかけてはなりません。
第二について:管理とは本質的に例外管理をベースとすること。
基準を決め、許容すべき範囲を決め、それを超える範囲を例外として管理することが重要です。
第三について:仕事自身が管理のための情報を提供するような仕組みを構築すること。検査は、管理のために新たな仕事を作ることになります。
管理のための管理、それはプロセス管理とは違います。

あらゆる仕事が管理を必要とするという観点からの見直しが必要です。
管理から除外されている仕事は、社内にはありませんか。
この機会に見直しを。

佐藤 等

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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