成果中心の精神【経営のヒント 292】
今日も<ドラッカーの一言>は、『マネジメント』<中巻>第36章「成果中心の精神」からです。この章は、学び多き章です。
<ドラッカーの一言>
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あらゆる組織がことなかれ主義の誘惑にさらされる。
組織が健全たるには、高い水準の仕事が必要である。
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『マネジメント<中>』p.101 1973年 ダイヤモンド社
組織が事なかれ主義に陥ることはありません。事なかれ主義とは、一人ひとりの心のあり方です。事なかれ主義とは、組織に属する人の心の姿勢が生み出すものなのです。ドラッカー教授は、そのために職場での自己目標管理を提唱しました。高い仕事の基準を必要としているのは、組織ばかりではありません。
個人もまた、仕事の基準を高める必要があるのです。なぜなら仕事こそは、自己を成長させる最高の道具であるからです。
自己を成長させるために高い基準の仕事に挑戦しなければならないのです。
組織の成果は外にしかありません。外と内の接点が仕事です。
高い水準の仕事とは、高い基準の顧客価値にほかなりません。
事なかれ主義とは、高い基準の顧客価値を目指さない姿勢です。
それゆえ高い基準の仕事をするために、自己の目標をどう管理するかが問題となります。それが心の姿勢を醸成します。
顧客の目線で何をすることが顧客の価値を高めるのか、そういった思考習慣を形成することが大切です。
そうしなければ、あらゆる組織が事なかれ主義の誘惑にさらされるのです。そのような誘惑に駆られ「事なかれ病」に冒されないためにも、一人ひとりの心の醸成が欠かせないのです。
佐藤 等