マネジメント教育【経営のヒント 283】
今日の一言は前回に引き続き、『マネジメント』<中巻>
第33章「マネジメント教育」からです。
<ドラッカーの一言>
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自己実現の動機を外側から与えることはできない。
動機は内側から来なければならない。
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『マネジメント<中>』p.64 1973年 ダイヤモンド社
ドラッカー教授は、マネジメント教育には、二つの側面があるといいます。
一つは組織の健康と存続と成長に必要不可欠だといいます。一つは、マネジャーの健康と成長、成果にとって必要なこととしています。組織は道具であると明言している、ドラッカー教授からすれば当たり前の表現なのですが、今一度確認しておきたい点です。
マネジメント教育は、人材開発(育成)の一つの分野ですが、明日の組織を先導する人材を準備するには欠かせない要素です。ドラッカー教授は、組織があげるべき3つの成果の一つに人材育成をあげていたことはご記憶のことと思います。
さて今日の一言は、後者のマネジャー個人の健康と成長、成果に関わる基本的なことです。働く動機あるいは自己実現の動機は、内側からしか発生しないということです。外から刺激を与えることはできますが、最後は自分で着火するしかないのです。
この点で上司は、支援の姿勢を身につけなければなりません。決してブレーキをかける阻害要因になってはいけないのです。できれば手本になるという姿勢が大切です。上司であるマネジャー自らが自己実現のための本氣の取り組みをしている。その姿勢こそが心に火を着ける最高の方法です。
そしてマネジメント教育のもう一つのポイントは、強みや得意なものに焦点を合わせていることです。焦点を合わせるとは、常に意識することです。
上司も部下も同じ方向を向いて取り組むとき、その効果とスピードは最高のものになるのです。
こうした取り組みは不断のものです。あるときだけとか、たまたまとかではなく、姿勢とは常に身につけている思考習慣です。一人ひとりが善き思考習慣を身につけるとき、善き組織風土が育ち、人が成長する土壌となります。
取り組みは一人ひとりからです。実に地道な営みです。
佐藤 等