マネジメント教育【経営のヒント 282】
今日の一言は『マネジメント』<中巻>第33章「マネジメント教育」からです。
<ドラッカーの一言>
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マネジメント教育とは、仕事を生計の資以上の
ものにすることであるといって過言ではない。
それは(中略)仕事をよき人生にすることである。
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『マネジメント<中>』p.56 1973年 ダイヤモンド社
金銭的報酬だけが満足をもたらす要因ではありません。仕事がよき人生に通じると思えるようになるには何段かのステップが必要です。
第一に「なすべきこと」という視点が大切です。
(1)仕事とは「なすべきこと」であって、「やりたいこと」ではないということです。
(2)「なすべきこと」は、別名「世のため人のためになること」です。
(3)ところが「なすべきこと」は簡単なことばかりではなく、難題や困難も少なくありません。
(4)「有り難い」とは、有ることが珍しい、あまり起きないことという意味です。
(5)あまり起きないことは、対応も難しく、そこに人が磨かれるチャンスがあります。
(6)それは感謝すべき状態、つまりとてもありがたいことなのです。
第二に「できること」という視点が大切です。
(1)「なすべきこと」は「できること」になったとき、はじめて成果に結びつきます。
(2)「できること」は能力やスキルと呼ばれます。
(3)強みや得意なことを伸ばしていくことで「できること」の範囲が拡張されます。
(4)「できること」の範囲が拡張され、「有り難い」課題に対応することができるようになります。
(5)こうしてより大きな成果をあげる存在になることができます。
(6)より大きな成果は人に自信をもたらします。
(7)そしてその自信は人の成長を促進させる源となります。
仕事という砥石(といし)に立ち向かい、能力を伸ばすとき充実と自信を手にすることができます。それが「仕事をよき人生にする」という真の意味なのです。トップはもとより、少なくともマネジャー職にある者は、このことを十分に理解していなければなりません。
なんといっても人生をよりよくするための大切な物事の考え方なのですから。
佐藤 等