管理手段【経営のヒント 316】
『マネジメント』<中巻>第39章「管理手段」はまだまだ続きます。
<ドラッカーの一言>
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マネジメント上、管理手段が有効であるには
七つの条件がある。(中略)
第五に、管理手段は時間間隔が適切でなければ
ならない。
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『マネジメント<中>』p.170 1973年 ダイヤモンド社
ドラッカー教授は、「頻繁な報告や迅速な報告が、よりよいマネジメントを意味するわけではない」と指摘しました。
リアルタイムのデータや連続的なデータが必要な局面はどのようなときでしょうか。あまりないのではないでしょうか。
商社では為替レートの情報、発酵槽の温度データなど限られたものではないでしょうか。しかもマネジメントに必要なデータとなるとさらに限定されます。
頻繁な確認をドラッカー教授は、大根の芽が出ると根の育ち具合を引き抜いて確認するようなものだとし、誤ったマネジメントの例としました。ECサイトのPV(ページビュー)など当初はとても気になりますが、たびたび見て監視する価値のあるものでもありません。
後日まとめての方が効果的であったりします。
ポイントは、そのデータを見て行動を変えるタイミングとの同期が必要だということです。何かしたときにデータが見たい形で側にある状態が望ましい状態です。それ以上の頻度の報告やタイミングを逸した報告などは、かえってマネジメントの効果を減殺してしまいます。報告のタイミングも重要な要素として時々見直してみることが必要です。
佐藤 等