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管理手段【経営のヒント 316】

『マネジメント』<中巻>第39章「管理手段」はまだまだ続きます。

<ドラッカーの一言>
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マネジメント上、管理手段が有効であるには
七つの条件がある。(中略)
第五に、管理手段は時間間隔が適切でなければ
ならない。
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『マネジメント<中>』p.170 1973年 ダイヤモンド社

ドラッカー教授は、「頻繁な報告や迅速な報告が、よりよいマネジメントを意味するわけではない」と指摘しました。
リアルタイムのデータや連続的なデータが必要な局面はどのようなときでしょうか。あまりないのではないでしょうか。
商社では為替レートの情報、発酵槽の温度データなど限られたものではないでしょうか。しかもマネジメントに必要なデータとなるとさらに限定されます。

頻繁な確認をドラッカー教授は、大根の芽が出ると根の育ち具合を引き抜いて確認するようなものだとし、誤ったマネジメントの例としました。ECサイトのPV(ページビュー)など当初はとても気になりますが、たびたび見て監視する価値のあるものでもありません。
後日まとめての方が効果的であったりします。

ポイントは、そのデータを見て行動を変えるタイミングとの同期が必要だということです。何かしたときにデータが見たい形で側にある状態が望ましい状態です。それ以上の頻度の報告やタイミングを逸した報告などは、かえってマネジメントの効果を減殺してしまいます。報告のタイミングも重要な要素として時々見直してみることが必要です。

佐藤 等

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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