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予期せぬものunexpected【経営のヒント 467】

今日のテーマも「予期せぬものunexpected」のカテゴリーに属します。

<ドラッカーの一言>

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予期せざる成功こそ、イノベーションの最大の機会である。
これほど成功しやすいイノベーションの機会はない。
これほどリスクが小さく、苦労の少なくてすむイノベーションの機会はない。

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『実践するドラッカー 事業編』p.220
原典―『イノベーションと企業家精神』p.18

「予期せぬもの」の中でも予期せぬ成功と予期せぬ失敗は特筆に値します。
その理由は最も成功しやすいイノベーションの機会であるからです。
しかし不思議と人々はこれを無視します。なぜでしょうか。
端的にいうと「たまたま成功した」「失敗した」と考えるからです。

成功しやすい理由は何でしょうか。
それは取引が一度以上成立しているからです。
予期せずにうまくいった成功は、再現性を増すために必要な条件を探ることが重要です。

また用意周到に準備し必ず成功すると確信していたものが失敗したときは、どこか一つ大きな間違い、
不適合などがあったと考えます。すべてを投げ捨てるには、投下した時間とお金がもったいないからです。
歯車が一つ噛み合えば動き出すかもしれません。見落としているものは何かを考えるのです。

予期せぬ成功も予期せぬ失敗も当事者の知覚の外にあります。
それゆえ意識がそこに向かないのです。
アンテナが受信できない状態です。
それゆえ感度を高くして受信する努力が求められます。

一度、成功であっても失敗であっても取引が一度以上行われているということは、
これから商品化したり、売り込みをしたりという努力がすでに終わっていることを意味します。
他のイノベーションと圧倒的に成功の可能性が高いのは商品化や販売のためのリードタイムの短さにあります。
「予期せぬもの」を探索する中で、最初に問わなければならない問いとして「予期せぬ成功は何か」を考える癖をつけましょう。

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<実践のための問い>

一年以内に起った予期せぬ成功は何か。その再現性を高める条件は何ですか?

佐藤 等

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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