成果中心の精神【経営のヒント 295】
今日も<ドラッカーの一言>は、『マネジメント』<中巻>第36章
「成果中心の精神」からです。今日で7回目です。たった12ページの章です。
是非、ご一読をお薦めします。
<ドラッカーの一言>
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組織は、問題ではなく機会に目を向けることによって、
その精神を高く維持することができる。機会すなわち
成果にエネルギーを集中するとき、興奮、挑戦、
満足を得る。
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『マネジメント<中>』p.106 1973年 ダイヤモンド社
問題を無視することはできません。なぜなら、今日の糧は昨日の事業から得ているからです。問題は、過去の意思決定と行動を発生源にしています。
問題を解消しつつ、今日の糧を得ていかなければなりませんが、この状態が未来永劫続くようでは困ります。
ドラッカー教授は、問題中心の組織を守りの組織とし、「昨日を黄金時代と考える組織」であると指摘しました。明日を創造する組織は、機会を中心に置かなければなりません。
機会とは明日の成果。それを目指すとき、組織のエネルギーは高まり、満足と興奮をもたらします。もちろんそれは、経営資源の投入割合を言っているのではありません。投入割合は多くて2割を超えることはありません。それは意識の問題です。
機会を意識する習慣です。しかも組織的に、体系的に意識することです。
変化を知り、その中から機会を取り出すことです。機会を取り出すためには、変化を見るための窓枠が必要です。窓枠を手にすれば、そこから見える景色が変わります。単なる変化が機会として見えてくるでしょう。
ドラッカー教授は、イノベーションの7つの機会としてその窓枠を示しました。
変化の激しい時代は、プラスやマイナスのエネルギーに満ち溢れています。
プラスのエネルギーを更なるプラスに増幅させ、マイナスのエネルギーをプラスに転換できるのは唯一人間だけです。物理の世界では起こりえないことも、精神の世界では起こりえるとドラッカー教授はいいました。
マイナスを転じてプラスにする。禍福は糾える縄の如し。表裏一体。
陰極れば必ず陽に転ず、逆も真なり。機会とは、今私たちが見ている現実とともにあります。その兆しは常に見え隠れしているのです。
必要なのは先ず姿勢です。機会に焦点を合わせるという姿勢からスタートしたいものです。
佐藤 等