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人のマネジメントは、人の多面的な側面を理解して行なう【経営のヒント 574】

今年もお読みいただきありがとうございます。
平成の約半分にわたって毎月3回発行してきて今回で575号、16年目の締めくくりのメルマガと
なります。

今回から5回にわたり人のマネジメントにおける人がもつ5つの側面に焦点を当てて説明したいと
思います。
前回掲げた原理の確認です。

人のマネジメントは、人の多面的な側面を理解して行なう
<マネジメントの原理44>

人のマネジメント上考慮すべき側面は5つある―
1.生理的な側面、2.心理的な側面、3.社会的な側面、4.経済的な側面、5.政治的な側面である。
<マネジメントの原理45>

今日のテーマは1.生理的な側面についてです。
生理的な特性として理解しておきたのは、人は機械のように働くことがないということです。
人には、それぞれ独自の働くリズムやスピード、持続時間があり、それらを自らコントロール
しています。
たとえば機械のスピードなどに合わせて仕事をするのは本来の姿ではありません。
人がリズムやスピード、持続時間を一律に合わせて仕事をすることは、おそらく最も
不得手なことの一つです。
つまり人が機械の動きに従って働くことは、人の生理的な側面を無視したやり方です。
また何年も同じ人に同じ仕事をさせることも生理的な側面を考えれば、問題です。
マンネリ化や飽きによる生産性低下を招きます。
つまり人には挑戦の機会を与えなければならないということです。
仕事は論理的で非属人的なものですが、その仕事に各人の資質、強み、ワークスタイルという
属人的な要素を用います。
これを「働く」といいます。
仕事(work)と働くこと(working)を分けて考えることが重要です。
したがって人の生理的な側面を考える時、最も重要なのは人の強みを仕事に生かすことです。

ヒト、モノ、カネと言われる経営資源のうち質的に違いを出せるのは、人だけです。
人のもつ経験や能力、スキルを知識といいます。事業の独自化や差別化は、人のもつ知識の
違いによって生まれます。
ここに人の強みのマネジメントの重要性があります。

しかし一人ひとりの強みを知り、生かしている組織は少数です。
眠れる鉱脈です。
人の強みを生かすことで事業の独自化や差別化を実現し、自己開発と自己成長を促進
させましょう。

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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