人のマネジメント上考慮すべき側面は5つある【経営のヒント 584】
「人のマネジメント」における人がもつ5つの側面を深掘りすることで可能な限り多くの
原理を取り出しています。
前回同様、人の多面性を5つの側面で表現した原理の復習からです。
人のマネジメント上考慮すべき側面は5つある―
1.生理的な側面、2.心理的な側面、3.社会的な側面、4.経済的な側面、5.政治的な側面である。
<マネジメントの原理45>
今回は3.社会的な側面からです。
第577号では、以下の2つの原理を起点として説明を展開しました。
家族などのコミュニティには目的は必要ありませんが、組織には目的が不可欠です。
<マネジメントの原理2>
なぜなら組織は、社会的な機関(道具)だからです。
<マネジメントの原理1>
また第577号で取り出した原理は以下のとおりです。
取り出した過程に関する考察は、第577号で復習して下さい。
組織は働くことをとおして人と社会をつないでいる
<マネジメントの原理50>
組織には方向づけが必要である
<マネジメント原理51>
組織を方向づけるには、ミッションや成果の明示などあらゆる方法で対応する
<マネジメント原理52>
コミュニケーションは、組織を方向づけるために行う
<マネジメント原理53>
<マネジメント原理50>の前提となっているのは、現代の組織は、知識労働をとおして
知識労働者と知識社会をつないでいるということです。
知識労働者は、自ら考え、自ら決定し、自ら行動する存在です。
<マネジメント原理79>
自ら考える際に基準となるのが、組織がどのように方向づけられているかです。
それゆえ現代社会ではミッションをはじめとした方向づけの道具が重要です。
<マネジメントの原理52>
これらの方向づけの道具を使ってマネジャーはコミュニケーションを図ります。
その際に用いる道具が「貢献」です。
組織の成果をあげるためチームのマネジャーは部下に「あなたがなすべき貢献は何か」を
問いかけます。
同時にマネジャーも期待する貢献を明らかにします。
両者の間に齟齬がないことが重要です。
貢献は組織の成果と個人の能力をつなぐ重要なマネジメントの道具です。
<マネジメントの原理80>
それゆえ組織を方向づける道具である「成果」を明示することは重要です。
ここで、成果とは外の世界における変化です。
<マネジメントの原理11>
このように社会と個人をつなぐ役割を組織がよりよく果たすために、マネジャーはもちろん
組織に属するすべての人が最低限必要な道具を意識して使えるようにしたいものです。