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組織の中に存在する関係性は、仕事と仕事、仕事と人、人と人の3つである【経営のヒント 588】

前回から人のマネジメントに関してまだ触れていない部分をフォローしています。
今日は、ドラッカー教授が示したマネジャーの5つの仕事(以下に再掲載)の中から
動機づけについて考えてみます。
1.目標を設定する
2.組織する
3.動機づけとコミュニケーションを図る
4.評価測定する
5.人材を開発する

動機づけの必要性は、環境や人間関係が与える影響など様々な観点から考えられてきました。
組織の中に存在する関係性は、仕事と仕事、仕事と人、人と人の3つに集約されます。
人と人の関係を人間関係といいます。
仕事と仕事の関係は、仕事のマネジメントに属し、仕事を設計したり改善したりすることが
これに当たり、仕事の生産性に直結します。

動機づけの本命は、仕事と人の関係性の中にあります。
人間関係が悪ければ仕事の生産性に悪影響を与えますが、積極的に仕事の生産性を高める
という局面では、直接的ではなく効果は限定的です。

動機づけの前提は、仕事が生産的な状態にあることです。
非生産的な仕事に就けばやがてモチベーションは減退しいくことは確実だからです。
理由は、自分の努力ほど成果に結びつかないからです。

さてデジという心理学者が到達した内発的動機づけ理論は、仕事と人の関係について重要な
示唆を与えます。
この理論のポイントは、人が動機づけられるのは内発的なもの、すなわち1.自己決定と
2.自己有能感によるというものです。

つまり目標ややり方など自分で考え、自分で決めたという状況が不可欠です。
その意味では、それぞれの仕事で大小はありますが自由に任される余地がなければなりません。
自分で決めたことを自ら実行するときモチベーションが向上します。
また自分で決めたことができたかどうか、自己評価することで自己有能感や肯定感が醸成されます。
もう一つのモチベーションの源泉です。

金銭的な報酬や人を単に褒めるなどは、動機づけの要因としては外発的です。
これらの要因は、たとえば昨年よりボーナスが減るとか、急に褒められる回数が減ったり
するとモチベーションが下がることがあります。
本質的な動機づけの要因にはならないということです。

今日の原理をまとめておきます。

組織の中に存在する関係性は、仕事と仕事、仕事と人、人と人の3つである
<マネジメントの原理91>

生産的な仕事は人が動機づけられる前提条件である
<マネジメントの原理92>

人が本質的に動機づけられる要因は内発的なものである
<マネジメントの原理93>

内発的な要因で重要なものは自己決定と有能感である
<マネジメントの原理94>

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